(旧)荒川102 - 随時新サイトへ移行しております。新しいサイトURLは http://arakawa102.com/ です。 読者コミュニティ

sayakatake
sayakatake

一般公開 飯田泰之(いいだ・やすゆき)
1975年生まれ。エコノミスト、明治大学政治経済学部准教授。株式会社シノドスマネージング・ディレクター。専門は経済政策、マクロ経済学。著書に『経済学思考の技術』(ダイヤモンド社)、『飯田のミクロ』(光文社新書)、『思考の「型」を身につけよう』(朝日新書)など

木下斉(きのした・ひとし)
1982年生まれ。一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、内閣官房地域活性化伝道師。
高校時代に全国商店街による共同出資会社の初代社長に就任。補助金依存や非成果主義を排した経営手法によるまちづくりを全国12都市で展開。著書に『まちづくり:デッドライン生きる場所を守り抜くための教科書』(広瀬郁との共著)など。

お二人のトークのレポートは次に。ナカイの私見が入っているかもしれませんが、荒川の場合を話し合ってみませんか?

返信コメント(0)

sayakatake

sayakatake

レポートです
なぜ町おこしは失敗するのか。

飯田さんと木下さんのトーク

木下さんの町おこしとの関わりは、学生時代の早稲田周辺の町づくりで15年前から。

早稲田周辺は学生相手。休みの間は休んでもいいという店が多く、学生相手ではない店が困っていた。

商店街の相談に乗るようになって驚くのは、折り込み広告の効果を分析したことがない。


地方の商店街の成り立ちも関係している。
戦後の商店街は復員してきた技術がない人の失業対策だった。毎日必要なものを売れば経験がなくてもそこそこ稼げる。最初は屋台の人も多かった。屋台をまとめて商店街へ。(これはうちの叔母が喫茶店やっていた千駄木の通りがそうだった。そういえば。)

水木しげるは最初魚屋の株をもらって、魚屋をやっていた。

戦後は品質に文句を言う余裕はなかったし、足がないから近所で買うしかない。


そういう商売だったので、いらっしゃいませもありがとうも言わない地方の商店街の店は多い。

イオンモールに反対の人は多いが、商店街は元々画一的。イオンじゃなければチェーン店になっている。

成功のヒントは被災地の仮説スナック街。意外と繁盛。はしごができる場所は地方では貴重。
半径200メートルぐらいでちまっと集まると客が増える。
やってみると売り手の事情より買い手の事情が見えてくる。

なぜ町おこしはうまくいかないか?。

なにを持って成功とするかが設定されていない。例えば不動産価値を上げると言うようなゴールを設定する。経済的リターンが必要。自分のお金じゃないと真剣さがなくなるし、結果も気にならなくなる。
高額の講師料を払って講師を呼んで話を聞いて、楽しかった、元気になったという心の問題だったら金をかける必要はないじゃないか。

役所主導だと関係者全員に広く薄くばらまく方に傾いてしまう。主力産業にてこ入れすると不満が出るので、ふわっと良い感じのものを上げる。例えば観光。だれも観光で食ってなければ争いが起こらないのでおよそ観光の条件がない場所でも観光観光という。

現実的なところは日本は人口が減って、高齢化しているという認識を持っている。住民の税金では維持できない自治体が多数。これからもどんどん増える。

都市間競争の時代。住民奪い合い競争。例えばイオンモールがある方が人を惹きつけられる。さらに地域を小さくまとめないと生き残れない。コンパクトシティで維持費を小さく。

交通が便利になった結果、ストロー現象が起こる。高速バスが顧客確保のために定額乗り放題をやるから週末は高速バスに乗って買い物に行くという生活スタイルが出来る。地元の商店は壊滅。ダメになるときはいきなり滅びる。

団塊の世代が引退したら崩壊する。どうなったらうれしいのか、どうなったらいいのかというゴールがないまま役所が主導する。役所はなにやっても批判されるだけなので無難で目に見える方へ動く(箱物)

場所が変わるだけで同じイベントばかり。なぜか?
手続きが煩雑で、できるのが広告代理店だけなので、どこも同じ。役所は書類が大変なので代理店きたらいいのじゃないかという流れに。何のための予算かわからない。

儲けがでないなら補助金いらないと断ろう。

商店街振興のための補助金一回400万。横断幕と風船と着ぐるみとポスターで消える。広くばらまいて敗戦続きは旧日本軍と同じ。

誰が振興事業をすれば良いのか?

営利事業をやったことがないところがやってる。予算をつぎ込んで破綻する。

コンサルも銀行も自分たちがお金を稼いでいるだけ。そもそも人口が減ってるので、負け戦なのは決まっている。

三つ四つの商店街を一つにまとめるしかないのに、全部にばらまく。

ごく狭い範囲に店を集めると人が増えて新規出店がでてくる。こない店はほっておけば消えると割り切る。

大学や先生とのつきあい方の例:ボストンの地域おこし、25年間MITの先生と学生が貧困層が多い地域で考え方の指導をして地域力を上げている。その日暮らしを脱出するための思考法と分析力を養う講座。

アーケードの問題。
アーケードの元祖は小倉銀天街。小倉は戦後非常に好景気だった。お金が余ってもともと活性化してたところにアーケードができた。視察に来た人たちがアーケードが人を呼んでいると因果関係を誤解。
アーケードは金がかかる。かけただけのリターンはあるのか? なくなったら怖いから維持している。

23区内のインフラ整備だけはペイする。やるなら23区なのに東京はあとまわし。お金だけあげればいいのに補助金は使い道まで規定する。

目指すべきはコンパクトシティ。
 
東京も70代になると都心部のマンションに戻ってくる。サラリーマン転居に抵抗がない。こうした人口をどう惹きつけるか。

中心部をまとめたところが生き残る。

内輪でなあなあでやっているうちに外からやられてしまう。

イオンモールには勝てるのか?
勝ち目はある。顧客サービスと共通企画。あえて競争を持ち込む。八百屋が一軒ならもう一軒入れるとお客には選ぶ楽しみが出てくる。お客こないなら、共同で法人に売り込む。商店街のお茶屋はなぜどうやって生き残っているのか?そこにヒントがある。負けにくい選択肢。

都内ならテナント化。

挑戦したい人が挑戦できる、挑戦せざるを得ない人が挑戦できる場所。そこに店を開けば生き残れる人を生き残らせてやってくれ。やりたいと言う人を追い払うな。

物件コスト坪当たり不明で貸している。銀行に相談すると先に融資するから改装しろと言う。不動産屋も改装してからの方が賃料が上がるという。店子に自由にやらせれば、自分の懐は痛まないし、店子も喜ぶ

sayakatake

sayakatake

この話を聞いてから、商店街の空き店舗が気になってしかたないんですが、テナント募集になっているところもかなりみかけます。若い人で活動拠点が欲しいと思っている人もそこそこ知っているので、荒川に劇団事務所、クラフト作家の作業所などが増えて人の往来が増えるといいなあと思ってます。私も作業所兼事務所兼集会所みたいな場所が欲しいんですが、安く貸してくれるところと巡り会えないかしら?

shogo_nakazato

shogo_nakazato

自分が思おうのは、鈴木さんがやっているようなコワーキングスペースのようなものへの需要です。起業したいけど安く立ち上げたい、という若者を応援するほうがお金を生み出すし、社会的ニーズは高いと思います。荒川に起業家が集まるような仕組みをつくれると面白いなー、と思ってます。