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2015年11月号 vol.24

<特集>南千住仲通り商店街 〜 新しいだっちゃんも作っていきたい。自家製二八蕎麦の「美加志屋」

2015年11月08日 17:57 by shogo_nakazato

美加志屋田中さんご夫妻
美加志屋の田中さんご夫妻 

南千住仲通り商店街のちょうど真ん中あたり。十字路に面して「美加志屋」(みかしや)の大きな看板があります。自家製麺の二八蕎麦を軸に、丼ぶり物、うどん、定食までそろえる町のおそば屋さんです。

ご主人の田中さんは3代目。商店街の青年部の部長でもあり、荒川区商店街連合会の青年部の部長でもあります。 いつもパッパッと歯切れのよい早口で会話をする田中さんは、盛り上げ役であり、頼れる町のリーダーでもあります。

葛飾区で生まれ、南千住に暮らして50年になるという田中さん。自分のことを「ちょっとお節介な下町気質の人間」だといいます。お店について聞いてきました。

「中学の時から手伝いはしてたよ」

- お店の歴史について教えてください

お店を構えたのは戦後の昭和24年ですので66年になります。商店街の成り立ちと同じ頃ですね。

美加志屋外観
美加志屋

昔は青木屋さんの近くにあって最初は製麺屋をやってたらしいんですけど、やってるうちに自分のところでそばを始めたようです。

- 親の跡を継ぐのは決めていたのですか?

親も勉強勉強とか言わなかったし3代目を継ぐのは当たり前でしたね。だから中学の時から手伝いはしてたよ。 電話取って、出前を受けたりさ。よく受けた注文を忘れちゃったりね(笑)。でも、親も子どもがそうやって手伝ってくれるのは嬉しかったんじゃないかな。

今は愛妻とともに店を切り盛りしていますが、20才で本格的に仕事を初めてもう41年になります。

- 子どもの頃はやんちゃだったんですか?

真面目ですよ、真面目。神童って言われてたんだから(笑)。

美加志屋田中さん3

今でもたまにテストを受けるのに勉強してないんで焦ってる、なんて夢をよく見るんだよね。中学高校とあんまり勉強はしなかったけど、高校を出たら親が簿記学校に通わせてくれました。飯田橋の近くの学校で「帳面もつけないといけないし勉強してこい」って。そこで2年勉強してから店に入りました。

「何が美味しいのか、って決めるのは難しい」

- そばの魅力を教えてください。

自分でやり始めてから美味しいもんだな、ってのが分かってきたんだよね。 江戸中期ぐらいにそば切りというものができたわけですが400年ぐらい経っているということになるわけで、自分もそばの歴史の末席に連なってるって自負も感じながらやってます。

それぞれのお店が自信をもってオススメできる"逸品"を作っていこう、という一店逸品運動にも参加している美加志屋さん。
既に逸品商品として「季節亭春風(ハルカゼ)」「夏香(ナツコ)」「秋味(アキミ)」と春夏秋の旬菜を使った味を開発。更に今は冬の逸品を考え中とのことです。写真は「秋味」。

美加志屋逸品 - 秋味

- そば作りって大変そうなイメージがあります

おそばって何が美味しいのか、って決めるのは難しい。美味しくないのに売れてたり、自分の物差しをしっかり持つということが大切だ、思いながらやってます。

うちは毎日家でそばを打っていますが、以前は機械練りだったんです。でも、おそばを美味しくするには木鉢練りをすることだ、って教わってチャレンジしました。

美加志屋 木鉢練り
木鉢練りはスピードと体力が必要

それから、宮の前にあったそば屋さんで二八蕎麦をやってたんだけど、それが凄く美味しくてね。それに憧れて自分でも二八蕎麦に挑戦を始めたんです。 でも、なかなか最初は上手くいかなくて、うまくつながらなくて短いそばを出したこともあります。よく謝りましたよ。 少しずつ上手くなっていったけど、なかなか苦労しました。

- 「そばもん」って漫画が置いてありますね。

それが私のバイブルなんです。これを見て目標にして、自分がやってることが間違ってないな、ということをいつも確認しながらやってきたんだよね。

そばもん - 美加志屋
「そばもん」。店内に置いてあります。

「3年以上毎日通っていただいているお客さんがいるんです」

- 今までお店をやってきた中でのエピソードを教えてください。

昔は店の前の交通量も多くてお店に車が飛び込んできたり、酔客と殴り合いになることも良くありました。今はそのようなお客さんは滅多にいないですが、町全体に勢いが無くなったのも事実ですね。

毎年暮れになると夫婦で大阪から観光で東京に来られる方がいまして、7年連続で必ず当店へ冷しむじなそばを食べに来てくださいます。他にも、入院されているお得意様が、退院したら美加志屋のそばが食べたいと言っていると家族の方からお聞きしたときはとても嬉しかったですね。

美加志屋内観
美加志屋店内

あと、これは私にとっての誇りであり励みなんですが、もう3年以上も毎日通ってくれるお客さんがいるんです。

私たちは「ダンディーさん」って呼んでるんだけど、雨の日も雪の日も毎日来ていただいています。プレッシャーでもありますが、嬉しいし、誇りであり、励みです。

いつも食べて帰っていかれるだけなんだけど、ある時いい日本酒が手に入った御歳暮代わりに「いつもありがとうございます」って渡したの。そしたら受け取ってくれたんだけど、次の日にお返しを持ってきていただいちゃいましてね。それじゃ困る!って言ったんだけど、どうしても、ということだったので、ありがたく頂きました。

実は「だっちゃん市」の名付け親でもある田中さん。だっちゃん市について聞いてみました。

「若手の人が一生懸命やってるのを応援したい」

- 「だっちゃん」についての昔の記憶はどんなものがありますか?

私のだっちゃんはメンコ、ベーゴマ、GIジョー人形なんかがありました。それに子どもの頃の楽しい思い出がだっちゃんですね。今は、かわいい妻が私のだっちゃんです。僕は昔は葛飾の四ツ木のあたりにいたんだけど、その辺でもだっちゃん、って言葉は使われてました。

- だっちゃん市についての思いを教えてください。

それぞれのお店がとっておきのものを出そう、っていうこともあるのですが、実は、とっておきのものを新しく作っていこう、ってことも含めてだっちゃん市を考えてるいます。新しいだっちゃんをそれぞれが作っていって、良いものを増やして広めていこうよ、って考えてるんです。

イベントはいつも前日まで準備とか大変です、テーブルも出して料理もして。いつもうちは出店が遅れちゃうんだよね。まだですか?、って言われるから、いま茹でてるんだよ!、って(笑)。

大変だけど、自分も段々最年長みたいになってきちゃったし、若手の人が一生懸命やってるの応援したいじゃない?それも自分の役割だと思ってやってます。

- 今回出品する予定のだっちゃんについて教えてください。

今回は鴨汁そば(200円)、大吟醸甘酒(100円)、だし巻き玉子(100円)を出品します。ぜひ、最近南千住に来たような方にも食べていただきたいです。美味しいおそばを出してる、っていう自負はあるんです。

美加志屋鴨汁(だっちゃん市用)
だっちゃん市で提供される鴨汁そば(200円)

卵焼きについては実はうちのかみさんの得意技なんです。僕もはじめは自分で卵焼きも作ってたんだけど、やっぱり女性のほうが仕事が綺麗なんですよ。 僕は、早く出す、ってことを信条にしてたんだけど、それだと段々おかしくなっちゃう。でも、かみさんはきっちり、辛抱強くやるんです、だから上達するよね。だから今はお願いしてます。

だし巻き玉子
奥さんが焼き上げる、だし巻き玉子(100円)

- 最後に一言どうぞ

南千住仲通り商店街には、祖父、父、私と3代お世話になり、栄枯盛衰を見てきました。これからも良き仲間たちとだっちゃん市や納涼祭など、商店街を楽しく盛り上げていきたいと思っています。

ぜひ、地域の方にも安心安全、人との関わりあいを楽しみに商店街に来ていただきたいと思います。


<店舗情報>

  • 店名:美加志屋そば店
  • 住所:荒川区南千住5-30-1
  • 電話番号:03-3801-6549
  • 営業時間:11:30 - 15:00、17:00-20:00(火曜日定休)

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